会社員時代、ブランドに携わる仕事をしていた頃。
SNS運営も担当していた当時、受講したオンライン講義がきっかけで、
『誰も教えてくれない編集力の鍛え方』という本を購入しました。
著者であるまむしさんの講義の内容がとてもわかりやすく、もっと話を聞いてみたいと思ったことを覚えています。
当時はfilcoteとしての独立を考えていた時期でもあり、
オートクチュール刺繍の作品をつくることはもちろんですが、
それをどう届けるのか、どう伝えるのか。
そのことも同じくらい大切だと感じていて、この本を手に取ったのを覚えています。
最近になって改めて本を開いてみると、
「編集力」という言葉が以前よりもずっと身近なものとして感じられました。

振り返ってみると、作品そのものだけでなく、その背景にある物語や記憶、
それを誰かに届けるためのことにも惹かれてきたように思います。
アンティークを探したり、本や資料を読んだり。
商品の背景や魅力を言葉にしたり、展示の構成やjournalについて考えたり。
どれも作品制作そのものではありません。
しかし、それぞれの断片を集め、つなぎ合わせ、
ひとつの景色として見せることに、ずっと惹かれてきたのかもしれません。
本の中では、編集力は文章を書く人だけのものではなく、
企画し、選び、価値を見つけ、それを伝えるための力として語られていました。
何を選び、何を残し、どう伝えるのか。
そんなふうに考えてみると、編集という言葉は思っていたよりもずっと身近なものだったように思います。
アンティークを選ぶことも、商品の背景や魅力を言葉にすることも、
展示やオンラインショップの景色を整えることも、そのひとつです。

もちろん、作品をつくることも大切です。
特に、オートクチュール刺繍作品のコンセプトやどんな技法で表現するかを考えることは、
とても楽しく、同時に大切な時間です。

どんな素材を使うのか。
どんな技法で表現するのか。
どんな物語を込めるのか。
なぜその作品をつくるのか。
そういったことを考える時間もまた、何かを選び、形にしていく編集の一部です。
『編集力』という言葉を読んだとき、そんな自分の性質に少し名前が付いたような、どこか温かい気持ちになりました。
filcoteは、集めた断片から新しい景色をつくる場所。
その断片が、誰かの暮らしの中で、新しい物語として続いていくことに繋がれば良いなと思います。
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▼今回ご紹介した本といつもそばにあるもの
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